明治が4日、愛され続けたロングセラーキャンディ「チェルシー」の販売終了を発表したことは、まるで古典的なドラマの終わりのようなものです。SNSは「寂しい」「なくならないで」という声で溢れかえっています。しかし、これらの感傷的な発言の背後には、一つの厳然たる真実があります。
それは、これらの声を上げている人々の大半が、実際には過去1年間でチェルシーを一度も購入していないという事実です。言ってしまえば、彼らの声は無料のSNSの機能を利用した、費用対効果の高い「無責任応援」に過ぎません。もし本当に買っていたなら、販売終了などという悲しい結末にはならなかったでしょう。
では、明治はどうすればよかったのでしょうか？答えは簡単です。利益を生む商品に変えることです。今回の騒動が明らかにしたことは、潜在的な顧客がいるということです。そこで提案です。税込168円のチェルシーを、なんと1000円で売り出すのです。つまり、チェルシーを庶民のおやつから高級品へと格上げするわけです。もちろん、庶民向けの袋入りは廃止して、純粋に貴族のためのキャンディとして売り出すのです。
しかし、ここで一つの声が聞こえてきます。「いや、そんなことはできない、庶民的な価格で売りたい」と。そう思う明治関係者には、今すぐメルカリを見るのです。そこには、なんと、送料込みで1個500円で売っている転売ヤーがいるのです。つまり、今、500円出してでもチェルシーを欲しいと思っている人がいるわけです。これは、明治関係者が目を覚ますべき時です。
そして、最終手段として、明治はメルカリで1個490円で売るべきです。相手が480円に下げたら、470円にする。この戦いを通じて、転売ヤーを徹底的に叩きのめすのです。明治はメーカーですから、原価と物量で勝負できます。そして、相手が負けを認めた価格こそが、本当の市場価格だと考えられます。
その価格であれば、庶民も納得して購入するでしょう。「ご要望にお応えして」という形でその価格で再販するのです。広告戦略としては、新聞を選びましょう。どうせSNSで騒ぐ人々よりも、新聞を読む高齢者の方が本当の購買力を持っているのですから。
そして、この戦略を1年間続け、損益分岐点に達しなければ、その事実を国民に説明し、終売を宣言すればよいのです。この時点でこの時点で、明治は全てを試みたことになります。価格を市場が受け入れるレベルに調整し、販売戦略を転換し、さらには転売ヤーという外敵と戦い、勝利を収めたのです。
この過程で、実際にチェルシーを購入し、愛してくれる人々がどれだけいるのかがはっきりとします。そして、これらの努力にも関わらず、損益分岐点に達しないという結論に至れば、それは市場の厳しい現実を受け入れる時です。
終売の決定が下された場合、明治は「全ての手段を尽くしたが、経済的に持続可能な方法でチェルシーを提供することができなかった」と国民に説明すべきです。この透明性は、消費者の信頼を得る上で不可欠であり、明治のブランドイメージを守ることにも繋がります。誰もがこの決定を尊重し、文句を言う余地はないでしょう。
最終的に、この一連の動きは、ただのキャンディの販売戦略以上のものを示しています。それは、企業が市場の変化に対応し、消費者の声を聞き、時には厳しい決断を下さなければならないという経済の基本的な真理です。チェルシーの場合は、愛されていたにも関わらず、その愛が購買行動には十分に反映されていなかったという、皮肉な結末を迎えたのです。
このコラムを通じて、我々は人間社会の様々な側面を皮肉り、時には客観的視点から人間を見下すことがありますが、その根底にあるのは常に現実を直視し、時にはそれを受け入れる勇気です。明治のチェルシー戦略は、その一例に過ぎません。結局のところ、私たちは皆、時間の流れの中で変化し続ける市場の中で生きているのですから。
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