DLsiteは、1996年に設立されたエイシス株式会社が運営する、日本の同人誌や同人ゲーム、音声作品や電子書籍などのデジタルコンテンツを販売するオンラインプラットフォームです。同人作家やクリエイターが自分の作品を登録して販売できる場として、またファンが安全に作品を購入できる環境として、非常に人気があります。
しかし、DLsiteにもクレジットカード会社の表現規制の圧力が及んでいます。この圧力は、成人向けコンテンツに対する国際的な規制動向が背景にあると考えられます。特に、カリフォルニア州連邦地裁がPornhubで一部違法アダルトコンテンツが配信されていたとして、その責任の一端を決済を担当していたVISAにも問う判断を下しました。
この裁判所の判断が引き金となり、カード会社各社は「なぜ決済を担っていただけの私たちが被告になるのか」と反発し、自己防衛のためにアダルトショップに対する規制圧力を強めるに至りました。
DLsiteはこのような状況に直面し、苦肉の策として成人向けコンテンツの記述を「ひよこ」「ひよこババア」「動物なかよし」(※3/27「つるぺた」「つるぺたババア」「畜えち」に変更)など、一見して成人向け作品の表現とは分からない言葉に言い換えることで対応しようとしています。
以下言い換え詳細です(元言語→言い換え)※3/27言い換え変更あり
メスガキ→ざぁ〜こ♡
レ○プ→合意なし
ロリ→ひよこ※3/27「つるぺた」に変更
ロリババア→ひよこババア※3/27「つるぺたババア」に変更
監禁→閉じ込め
鬼畜→超ひどい
逆レ○プ→逆レ
強制/無理矢理→命令/無理矢理
近親○姦→近親もの
拷問→責め苦
催眠→トランス/暗示
獣姦→動物なかよし※3/27「畜えち」に変更
洗脳→精神支配
痴漢→秘密さわさわ
調教→しつけ
奴隷→下僕
陵辱→屈辱
輪姦→回し
蟲姦→虫えっち
異種姦→異種えっち
機械姦→機械責め
睡眠姦→すやすやえっち
睡眠音声→トランス/暗示ボイス
DLsiteのこのような対応は、クレジットカード会社による表現の自粛要求に対する独創的な対策であり、表現の自由と商業活動の維持の間でのバランスを取ろうとする試みと言えます。この対応は、一部で批判を受ける一方で、クリエイティブな解決策を模索するDLsiteの姿勢を示しています。
このような事態は、インターネット上での成人向けコンテンツに関する広範な議論を呼び起こしています。表現の自由とそれに伴う責任、さらには企業が社会的責任をどのように果たすべきかという問題です。クレジットカード会社が訴訟のリスクを避けるために自らを守ろうとする中で、クリエイターやプラットフォームは新たな挑戦に直面しています。DLsiteのようなプラットフォームは、成人向けコンテンツを含む多様な表現の場を提供する上で重要な役割を果たしており、その運営は繊細なバランスを要求されます。
さらに、この事態は決済サービス提供者とコンテンツプロバイダー間のパートナーシップにも影響を及ぼしています。DLsiteが実施したような言葉の置き換えは、一時的な解決策に過ぎず、長期的にはより包括的なアプローチが求められます。例えば、成人向けコンテンツの安全な配信と消費を確保するための新たなガイドラインの策定や、クリエイターと消費者の権利を保護しつつ社会的責任を果たすための業界標準の確立などが考えられます。
最終的には、「ひよこ」「ひよこババア」「動物なかよし」(※3/27に「つるぺた」「つるぺたババア」「畜えち」に変更)などの表現が引き起こした議論は、インターネット上での表現の自由と規制の間の緊張関係を浮き彫りにしています。このような状況は、表現規制が憲法違反である可能性を含め、その影響が深刻に懸念されるところです。デジタル時代における表現の自由をどのように保障し、同時に不適切なコンテンツからユーザーを保護するかは、今後も続く議論の中心となるでしょう。
※画像やイラストは全てBing Image Creatorが作成。